50th SPECIAL INTERVIEW
HI-TEC PEOPLE #009 <後編>
みうらじゅん
1974年にイギリスで誕生し、世界初の軽量アウトドアブーツの開発をはじめ、多くのスポーツで歴史を彩る数々の名作シューズを生み出してきた、アウトドア・ライフスタイルブランド<HI-TEC> のウェブコンテンツ<HI-TEC PEOPLE(ハイテック・ピープル)> は、チャレンジをしながら自分らしい人生やライフスタイルを謳歌するさまざまな人物たちにフォーカスしていくシリーズ。
今回はHI-TECのブランド50周年を記念したスペシャルコンテンツとして、漫画家やイラストレーター、エッセイスト、ミュージシャン、ラジオDJなど幅広く活躍し、新語・流行語大賞の「マイブーム」や「ゆるキャラ」をはじめ、数多くの流行やカルチャーを生み出しながら、長年にわたってさまざまな活動を続ける「みうらじゅん」 さんが登場。
前半に引き続き、普段あまり語られることのないみうらじゅんさんのシューズやファッション事情をはじめ、ロックから影響を受けたみうらさんの半生や考え方、人生やライフスタイルのエンタメ化のヒントが散りばめられたインタビューの後編をお届けします。
さらに今回はみうらじゅんさんが生み出してきた数ある「マイブーム」の中の1つの「Sinceブーム」とHI-TECとでコラボレーションし、数量限定の<HI-TEC x MJ コラボレーション Tシャツ・スウェット> を特別制作。みうらじゅんさんが前面にプリントされたスペシャルなTシャツとスウェットを、アンケートページより応募いただいた方から抽選で「合計50名様」 にプレゼントします。
他では絶対手に入らないコレクタブルなアイテムが当たる、まさにブランド50周年にふさわしいスペシャル企画。皆様のご応募お待ちしております。
※<HI-TEC x MJ スペシャルコラボレーション Tシャツ・スウェット>は、こちらのページのインタビュー下部に掲載しています。
自分で盛ったことすら忘れてしまうぐらいいろんな仕事してきたから、自分で本当にそうだったって思い込んでるんだと思います。
- インタビューの前半ではみうらじゅんさんのファッション事情のことや、ロックから影響を受けたことなどを中心にお話いただきました。
改めてプロフィールについてですが、みうらさんの活動は、漫画家やエッセイスト、ミュージシャン、タレントなどかなり多岐に渡りますが、正式には「イラストレーターなど」となっています。こちらはどのような経緯があったんでしょうか?
みうらじゅん:一応、漫画家でデビューしているんですけど、あえて「一応」って言うのは、その時、ギャラをもらってないからなんですよ。僕がデビューしたガロっていう漫画雑誌は原稿料が出ないで有名な雑誌だったんです。そこが僕にとっては良かったんです。
世の中的にはギャラをもらってなくってデビューするってことはないですから、本当はデビューしてなくて結局デビューした気がしないままここまでやってきてるんです(笑)
- 本当はまだデビュー前ってことですね(笑)
みうらじゅん:ずっとね(笑)でもね、漫画家でデビューって書かれちゃうと「どんな漫画描いてるの?」とか聞かれるのも困ってね。当時は親戚の子供たちがしつこく聞いてくるもんで、「いや、違う。イラストレーターなんだ」って言ってきたんです(笑)その子たちは昔はまだイラストレーターっていう職業を知らなかったですし。でもね、親戚のおじさんはそれを聞いて「じゅんちゃんは東京でインストラクターやってるやてな」って(笑)
- (笑)
みうらじゅん:その頃はインストラクターっていう職業の名前の方が流行り出した頃で、それで納得したみたいでした(笑)もういちいち説明していくのも面倒くさいから、最終的に「イラストレーターなど」という肩書きを勝手に考えたんです。
- 今ではイラストレーター以外にも毎年さまざまな活動されていますもんね。
みうらじゅん:「など業」って名乗っておけば間違いはないですからね。だから今日このHI-TECのスニーカーを履いて撮影してもらってるのも「など業」の中の仕事ですね。
- 前半では「老けづくり」のお話がありましたが、みうらさんは歳を重ねてさらに魅力が深まっている感じがしますし、「みうらじゅん」としての活動がさらに広がっているような気がしますが、ご自身ではいかがですか?
みうらじゅん:自分も歳をとっている方が好きですね。若い頃から「自分好き」っていうことを売りにしてきたとこもあって、自伝的なものを書いてきましたが、その自伝的な小説が本当に自伝かって言われると実はそうでもないんですよね。当然、盛ってますしね(笑)でも今では盛ったことすら忘れてしまうぐらいいろんなことしてきたから、自分でも本当にそうだったような気がしてるんですけどね。
- 世間一般から見たら、みうらさんは相当面白い人生を送ってるように見えますが。
みうらじゅん:いやいや、面白い人生に作り変えているフシがありますよ(笑)まあ「マイブーム」で流行語大賞をもらった時は嬉しかったけど、あれで確実に首は絞めましたよね。毎週レベルで「今のマイブームは何ですか?」って聞かれるようになってね。週刊誌じゃないんだから、そんなもんあるわけないじゃないすか(笑)でも、それなりに何十年も対処してきて、その場で思いつくこと言って、後からそれを好きになるっていう方法も編み出しました。
- 後付けの「マイブーム」もアリなんですか(笑)
みうらじゅん:そういうことも多いです。だから「自分なくし」ってとこまでいっちゃったんですよね。もう自分じゃなくてもいいんです。「みうらじゅん」っていう名前は本名ですけど、漢字とひらがなの葛藤をずっと繰り返してきましたので。でも歳を取るとそれがどっちでもよくなってきたんですよね。
- 歳をとってくると、若い頃に自分の見栄えを気にしていたこととか、人前でいらない気を使って話してたこととか、そんなことどうでも良いよなって思うことも多くなってきますね。そうやって変に気にすることがなくなると、だんだん本来の自分らしさが出てきて楽になってくる感じがあります。
みうらじゅん:そりゃ、それが自然に出来ればこんな楽なことはないんですけどね。
HI-TECのシューズを持って、そこに矢印入れてヒントみたいな感じのテイストぐらいが面白い。
- 続いて、ここ数年はみうらさんが「マイブーム」で集められたモノを一斉に介した「みうらじゅんFES マイブームの全貌展」を、全国各地を巡回しながら開催されています。
みうらじゅん:自分が還暦の時からだから、今から6年前にスタートしたんですけど、結構色々なところでそのタイトルの展覧会は開催しました。それまでは催事っていうかたちでやってたんだけど、美術館側からやりませんかって話しがあった時、一番はじめは川崎市市民ミュージアムという大きなところで、人って箱によって見方変わることに気がつきました。美術館でやってたら美術品だと人は判断するんです。
- 以前に自分も巡回展にお伺いさせていただきましたが、もらったら困るようなお土産「いやげもの」とか、しょうもないデザインの絵葉書「カスハガ」をはじめ、どうでも良いようなモノでも美術館という環境の中で見ると、どれもとても貴重なもののような気がしました(笑)
みうらじゅん:でしょ?で、展覧会の場合は巡回展と呼ぶんです。こちとら「バンドのツアー」っていうことにして「みうらじゅんFES」にしたんです。うちにはメンバーが1万人ぐらいいますからね(笑)盛岡も行ったし仙台も行ったし、富山も行ったし、埼玉の所沢でもツアーをやりました。
- 今年の夏はみうらさんの地元である京都でも開催されていましたね。
みうらじゅん:京都駅のステーションギャラリーっていうところで開催しました。何せ「ギャラリー」ですから、きっと皆さんは美術品だと思ってたんじゃないかなあ(笑)
- ちなみに「マイブーム」で集められたモノ以外にも、みうらさんが小学生の時に書いていた漫画やスクラップなども展示されていて、まさにみうらじゅんさんの半生をひとまとめにしたような展示でした。反響はいかがでしたか?
みうらじゅん:いつも展覧会に来てくれるファンの方たちは別だけど、僕がこんなことしてることを知らない方も多く来場してくれたみたいで、こちらとしてはまだまだツアーは転がせるなって思いました(笑)
- でも、サブカルチャーが好きな人達にとったら、みうらさんの活動のことはもちろんよく知ってますし、みうらさんを日本のサブカルチャーの伝道師みたいな存在として認識しているような気がします。
みうらじゅん:いやいや、僕はサブカルチャーってことがよくわかってませんし(笑)
- テレビや雑誌などさまざまな媒体で長く活動されているみうらさんの「マイブーム」を知らない人がまだまだいるっていうのが驚きですね。
みうらじゅん:そのほうがいいですよ。知られてない方が長く続けられますしね。できる限り知られないように努めてきたつもりなんですが(笑)
- テレビ番組だとタモリ倶楽部には定期的に出演されていましたが、そういえばたしかにそれ以外の番組ではそんなに見かけていないかもしれません。
みうらじゅん:出てたんですよ色々と。でも知られないように努めてきましたんで(笑)そうそう、このあいだ阪急メンズで「シニアモデル」の仕事をしましたけど、それを見た人が「この人、誰なんだ?」って思ってもらうことが面白いわけですね。その疑問が出るうちはまだ大丈夫です。
- 阪急メンズの今年の秋冬キャンペーン「VIVA LA VITA」のアンバサダーをされていましたね。コラボレーションしたアイテムなども販売しているのをお見かけました。
みうらじゅん:だから今日のHI-TECの撮影も「シニアモデル業」だと思って引き受けました(笑)今度どこかで「最近の仕事はなんですか?」って聞かれたら、シニアモデル業をやっていますっていうことにしようかなと。
- (笑)今回のお取り組みではインタビューのほかに、HI-TECとみうらさんのコラボレーションTシャツとスウェットの2アイテムを制作させていただき、応募抽選で当たるプレゼントキャンペーンも開催の予定です。
みうらじゅん:ある人にとっては「なんでこんなやつ出てんの?」っていうとこがいいわけじゃないですか。だからアイテムにみうらじゅんってそのまま書いてあるより、HI-TECのシューズを持って、そこに矢印入れてヒントみたいな感じのテイストぐらいが面白いと思って。
- コラボTシャツのバックやスウェットの袖口には、みうらじゅんではなく「MJ」と入れる予定ですが、「MJ」だともしかしたらマイケル・ジャクソンのことかもしれないですし、マイケル・ジョーダンのことかもしれません(笑)
みうらじゅん:知らない人が疑問を持って、何だかよくわからないけど欲しがったり手に取ったりしてくれるのがいいと思います。
- でも、シニアモデルが続いているのも、ファッション界隈から見て、今のみうらさんの容姿や雰囲気がとてもファッショナブルに感じているからだと思います。最近もメンズやレディース問わずファッション誌でインタビューされているのをよく見かけますし、この前も女性のファッション誌のSPURにも出演されていましたね。
みうらじゅん:あれはクレープ食べる記事でしたね。知り合いの編集者が企画してくれたんだけど、その子もちょっと変わっててね(笑)でも、そういう「わかってる人」が使ってくれたことが嬉しくて。
- これからさらにファッション界隈でみうらさんの露出が増えていきそうな予感がしますね。
みうらじゅん:5回ぐらい続いたらもうやめますけど(笑)
- 全然違うジャンルの仕事でも前向きにチャレンジしたり、慣れない環境にあえて自分を置いてみたりすることで、どんどん新たな景色が見えて、自身の人生が広がり続けていきそうですね。
みうらじゅん:まあ同じ系統ばっかりの方に行くのが苦手なんですよね。ディランさんから教わったことで一番大切だったのは、同じところに長く留まっていたくないっていう気持ちですから。
あまりにも年数が経ってないSinceっていかがなもんか?っていう提案だった。
- 今回はみうらさんの「マイブーム」の1つで、街中でSince〜と書いてある看板を集めていく「Sinceブーム」とコラボレーションしたアイテムを制作させていただく予定ですが、そもそも「Sinceブーム」のきっかけはなんだったんでしょうか?
みうらじゅん:Sinceっておかしいじゃないですか(笑)日本でSinceが流行ったのって確実にバブルの時だと思うんです。ダンディーなオヤジとかが店の看板とかペンションにSinceを使ったのがきっとハシリですよ。
- 全然勝手なイメージですけど、軽井沢とか白馬とかのお店やペンションの看板にたくさんSinceがあるような気がします(笑)
みうらじゅん:その人たちのちょっと創業をおしゃれに言うみたいなSinceって、結局は日本文化だったんですよね。その頃は、Sinceってオシャレ用語で、ある程度の年月が経たないと変だって思ってなかった。その極みが「最新ス」です。その年のSinceを入れてるような店はやっぱどーかしてるじゃないですか(笑)
-その年のSinceは早すぎますね(笑)
みうらじゅん:あまりにも年数が経ってないSinceっていかがなもんか?っていう提案だったんです。そもそも僕の「Sinceブーム」は。ちなみに僕が見つけたSinceの中にはもう「20××」と書いてあるものもあって、「未来Since」ってそれ、いくら何でも変でしょ?(笑)
- 単純にSinceをつけるとカッコいいからってことかもしれませんね。
みうらじゅん:そこがおかしくってねまた(笑)
むやみやたらに散歩してると、意外なものとか面白いものを見つけることがある。
- みうらさんのマイブームには「Sinceブーム」のほかにも、街中にある看板などの文字で般若心経を完成させる「アウトドア般若心経」など、アウトドアにまつわる活動もいくつかありますよね。ちなみに今まではスポーツは避けてきたということでしたが、スポーツすること自体は嫌いではないですか?
みうらじゅん:スポーツは苦手というか、あえて苦手にしているとこがあるんですよ。僕の中でのロックのイメージが不健康ってことがあるんだと思います。
- たしかに表に出るイメージは大事ですよね。みうらさんにスポーツの印象はありませんでしたが、やっぱりそこもロックの影響だったんですね。
みうらじゅん:だから別に運動音痴ではないんですけど、ロックの人たちがしてないだろうっていう予想のもとに、ここまでやってきてるからこんなことになっただけなんです。美大の頃は体育の授業がサッカーしかなくて、長髪にヒール靴履いて、「ヒールサッカー」やってましたし(笑)
- ヒールサッカーは今やってもちょっと面白そうです(笑)
みうらじゅん:未だ、サッカーのルールは知りませんけど(笑)
- でも散歩で外を歩き続けるっていうのも、やっぱりそこそこの基礎体力がいりますから、その下地はあったってことですよね。
みうらじゅん:ま、ヒールサッカーが下地とは思ってませんが(笑)でも、むやみやたらに散歩してると意外なものとか面白いものを見つけることがありますからね。
そうそう、「ブックオフであさりちゃん全巻を揃えてみよう」と目標を立てて散歩してたこともありました(笑)それだったら、ものすごく遠くのブックオフまで行くじゃないですか。品川のブックオフまで行ったこともありました(笑)
- 品川はなかなかの距離ですね。
みうらじゅん:あさりちゃんって101巻も出てるんです。はじめはブックオフに大量にあったから甘く見ていたんだけど、大体どこの店でもダブってたりで、半分以上揃ってからはそんなに上手く揃わなくて。でもそういうエンタメ的な企画があるから、どこまでもいけるんですよね。
- そもそもサブカルチャーっていうと、なんとなくインドアのイメージがありますけど、よくよく考えたらみうらさんが「マイブーム」で各地に出歩いてモノを買ったり、「Sinceブーム」などで街を歩いて看板を見つけにいったりすることって外を出歩きながら活動されているっていうことなので、結局はアウトドア活動をしているってことですよね。
みうらじゅん:だからサブカルチャーってよく知らないんですって(笑)
- (笑)あと外に出るにしても、車や自転車などスピードが出るものに乗ってしまうと、街中で面白いものがあったとしても見逃してしまう可能性はありますよね。面白いものを見つけるっていうことであれば、やっぱり散歩が一番適していそうです。
みうらじゅん:そうですね。
- これからも外で活動し続けることで、歳をとっても体力をキープできそうです。
みうらじゅん:特に「アウトドア般若心経」をやってた時は、むやみやたらに歩かないとそんな漢字見つからないんですよ。目標があって歩いてたわけじゃなくて、どこにあるかわかんないものを、むやみやたらに歩いて見つけていく修行ですから(笑)
- たしかに街中のどこにどのような看板や文字があるかなんて分かりませんもんね(笑)ちなみにHI-TECはアウトドアライフスタイルブランドとして、「新しい景色を求めて、外の世界に飛び出そう」というフィロソフィーのもと、いつもの日常でも自然の中でも、新しい景色と体験を求めている人たちを応援していますが、みうらさんのように外に出て、世の中にある面白いモノや興味のあることを探していくことが、自分の人生をより彩る行動なのかもしれませんね。
みうらじゅん:やっぱり僕にピッタリじゃないですか(笑)
やっぱり頼まれてもいないことが一番燃えるし大切なこと。
- 「みうらじゅんFES マイブームの全貌展」の話に戻りますが、会場にはコロナが流行った時にみうらさんが描かれていた数多くのアートも一面に並べられていて、みうらさんのアーティストとしての側面を感じられたのもとても印象的でした。
みうらじゅん:あれは「コロナ画」って呼んでいるもので、今は150枚超えました。たぶん以前見ていただいた時から今はかなり増えていると思います。コロナが流行ってステイホームしていたときに、頼まれてないことをしてなさすぎじゃないか、っていう反省があって絵を描き始めたんです。まあ結局その「コロナ画」も仕事に回しちゃってるんだけど。やっぱり頼まれてもいないことが一番燃えるし大切なことなんですよ。
- そう言われるとその通りかもしれません。
みうらじゅん:絵のテーマとしては、今まで僕が引っかかってきたものを全部あの絵の中に詰め込むこと。自分でもどれぐらいあるのか見てみたいなって思って描いていて、連作で繋がりあるようにしてあるんです。展覧会がスタートしたときは、まだピカソのゲルニカのサイズは超えてなかったけど、今は岡本太郎さんの明日への神話を目指してます。サイズのことだけなんですが(笑)なんかそういう無駄な量や無駄な努力ってやっぱり好きなんですよね。
- 「マイブーム」でいらないモノや変なモノを収集するのも世間的に言ったら無駄といえば無駄ですよね。でもそれらが大量になって集合体となって大きなものとなったときに、何か意味を成すようなものになっていくんだなって、みうらさんの巡回展を拝見して感じました。
みうらじゅん:よく無駄だって言われるし自分でもそう思うけども、じゃあ無駄じゃないことって僕にとって何なの?と思い返すと、僕はたまたま無駄なものが無駄じゃないってことだったんですよね、きっと。
- 逆に重要なものって何?って聞かれたら、パッとは出てこないですね。
みうらじゅん:そこにはやっぱりロックがあったような気がするんですよね。あんなに大きい音を奏でる必要もないし、あんなに派手な格好してることもないのに、それをあえてやってるとこが面白い。だから、無駄の何がいいかっていったらやっぱり面白いからじゃないかと。
- 最近ではコストパフォーマンスやタイムパフォーマンスなど、できるだけ無駄を省いて効率を優先する風潮がさらに強くなっている感があります。
みうらじゅん:世の中って面白いだけでは許してくれない見たいですね(笑)
- でもその一方で、自分が好きなモノを集めたり、マニアックな知識をSNSなどで紹介するような、他人には無駄と言えるような分野でも、マニアな人がたくさん増えてきている気もしますが、その礎の1つになっているのは、やっぱりみうらさんの今までの無駄と言えるような数々の活動から影響しているところもありそうです。
みうらじゅん:前に「ない仕事の作り方」っていう本を出した時、誤解が生まれた気がするんですね。タイトルのまま、仕事がない人が読むと活力が湧くって勘違いされたみたいで(笑)
- (笑)
みうらじゅん:たくさん買っていただいたみたいで、もちろんそれは嬉しかったんだけど、「ない仕事は自分で作るもんだ」っていう話だったんです。まあ、でもそもそもブームっていうのは誤解の産物ですから。
- また、単に自分の好きなモノに没頭するだけでなく、それをどうやって面白く発信していくかっていうのも重要そうですね。
みうらじゅん:それだけかも知れません。そんなに好きでもないことを好きにしていく過程がまた、面白いってことです。好きはエンタメに落とし込まないと自分も飽きちゃいますから。
- 「好きをエンタメ化」非常に勉強になります。
みうらじゅん:今の僕の「鹿ブーム」も同じです(笑)それを自分がどうワクワクしていくかは、まず自分への洗脳です。向こうからはワクワクはくれませんしね。
- 自分が面白いと思っていれば無駄な努力も全然楽しめますもんね。ちなみに「マイブーム」で収集されたモノのなかでかなり高額なものもありましたよね。
みうらじゅん:いつもここのオフィスにおられる「絵梨花さん」っていうラブドール。今は雑誌SPAの撮影に行っちゃってるもんで不在なんですけど、そのドールも大好きだったから買ったわけじゃないです。買ったら面白いのと、70万もしたっていうとこにグッときましてね。
- 70万(笑)以前「金ブーム」のときに金のロレックスを買ったっていうエピソードも見かけました。
みうらじゅん:あれはもっと高くて、どうにか好きにならないとと思い焦りました(笑)「お前なんかがなんでロレックス買ってるんだよ」ってちょっと叱られるぐらいな面白さもありましたけど。
- 好きのエンタメ化には、受け手がどういう反応をするかをイメージしながらってことも大事ですね。
気づいた結論は、「答えは風に舞っている」ってことでした。
- 最後にみうらさんのこれからの人生についてですが、先ほどの「コロナ画」の枚数の話がありましたが、間近の目標としては岡本太郎の明日への神話を超えるっていうところでしょうか。
みうらじゅん:でもね、目標を決めると無駄な努力じゃなくて、ただの努力になっちゃいますでしょ?つい言っちゃいましたけど、それはよくありません。無駄な努力っていうのは目標を決めないことですから。
- HI-TECは今年でブランド創立50周年を迎えて、これからは次の50年を目指していくところですが、そんなに先のことまで考えなくても良いのかもしれませんね。
みうらじゅん:まあ「審サー」としては、50年は大・中・小でいえば、もう「中Since」だと思いますんで、大丈夫です。年号を入れなくても風格は感じます(笑)
- ありがとうございます(笑)ちなみにこれからのみうらさんの人生やライフスタイルで何か理想みたいなものはありますか?
みうらじゅん:まあ寿命は自分にもわからないので、こればっかりは理想を決めてもしょうがないですよね。
- でもみうらさんは普段から散歩やライフワークで体力や足腰をキープされていますから、意外と100歳以上長生きするかもしれません。
みうらじゅん:じゃ、全く興味はありませんが、ヨットで世界一周を理想としますね(笑)
- (笑)昔に比べて今では生活がかなり便利になっていて、みんながインターネットでモノを買ったり、情報を集めることができる時代になっていますが、やっぱりみうらさんのように無駄だろうがなんだろうが、まずは外に出て、自分の足でワクワクするモノや面白いモノを見つけたり、そこで会った人と話したり、リアルな体験していくことが、自分の人生をより面白いものにしていくんだなって改めて思いました。
みうらじゅん:ありがとうございます。自分の作ったキャラですからそれはもうしょうがないです。今後も続けていきますね。
- また、日々の日常をエンタメ的に捉えて気楽にやっていくことも大切ですね。
みうらじゅん:やっぱり「過去は終わったこと、未来はわからないもの」としてやっていくのが一番精神的にもいいんじゃないでしょうか。
まあ、こうやってあーだこーだ話していて気づいた結論は、「結局答えは風に舞っている」ってことでした。ま、その気づきもずっとキープオンなんですが(笑)ここまで自由に生きてこれた理由はそこですからね。
みうらじゅん
イラストレーターなど
1958年京都市生まれ。武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー。以来、イラストレーター、 エッセイスト、ミュージシャンなどとして幅広く活躍。1997年、造語「マイブーム」が新語・ 流行語大賞受賞語に。「ゆるキャラ」の命名者でもある。2005年、日本映画批評家大賞功 労賞受賞。2018年、仏教伝道文化賞沼田奨 励賞受賞。著書に『アイデン&ティティ』、『マイ仏教』、『見仏記』シリーズ(いとうせいこうとの共著)、『「ない仕事」の作り方』(2021 年本屋大賞発掘部門「超発掘本!」に選出)、『通常は死ぬ前に処分したいと思うであろう100のモノ』など。音楽、映像作品も多数。
みうらじゅんOFFICIAL SITE:http://miurajun.net/
Youtube :https://www.youtube.com/@mjj445/videos
Twitter:@miurajun_net
SQUASH ORIGINAL
半世紀におよぶ歴史の中で生み出されたアイコンモデルにスポットを当て、セルフリプロダクトしていくシリーズ「Original Since」コレクションより、ブランド設立と同年に開発した革新的かつ軽量で、履いてすぐに心地良さを実感できるスカッシュシューズ「SQUASH ORIGINAL」が復刻登場。ブランドのルーツであるスカッシュシューズの快適性は継承しつつ、すっきりとモダナイズされたシルエットとなっています。
アイテム詳細>>
SHOP LIST>>
※ショップリストページの「LIFESTYLE」アイコンが掲載されているショップをご覧ください。
※店舗によりお取り扱いがない場合もございます。
SPECIAL CORABORATION
TEE & SWEATSHIRT
PRESENT CAMPAIGN
このたび、創立50周年を迎えたHI-TECとみうらじゅんさんの豪華コラボレーションアイテム<HI-TEC x MJ コラボレーション Tシャツ・スウェット>を特別制作。
みうらじゅんさんが今まで生み出してきた数ある「マイブーム」の中の1つ「Sinceブーム」とコラボレーションしたTシャツとスウェットは、前面にみうらじゅんさんのフォトを大きくプリントし、Tシャツのバックとスウェットの袖には、HI-TECロゴとみうらじゅんさんの頭文字の「MJ」を配置。それぞれ厚手のボディを採用することで、スポーティな印象に仕上がっています。
<HI-TEC x MJ コラボレーション Tシャツ・スウェット>は、2024年12月19日(木)- 2025年1月5日(日)の期間、HI-TEC公式インスタグラム@hitec_japanをフォローいただき、下記の応募アンケートページより応募いただいた方より、ブランド50周年にちなみ、抽選で「合計50名様」にプレゼント。
みうらじゅんさんの感性が表現された、まさにブランド創立50周年にふさわしい数量限定のコレクタブルなスペシャルアイテム。皆様のご応募お待ちしております。
<プレゼントキャンペーン詳細>
■応募期間:2024年 12月19日(木)- 2025年1月5日(日)
■カラー:TEE - WHITE/ SWEAT – LIGHT GRAY
■サイズ展開:M / L
■その他詳細・注意事項
・HI-TEC公式インスタグラム@hitec_japanをフォローいただいた方のみご応募可能となります(すでにHI-TEC公式インスタグラムをフォローいただいている方はそのまま応募いただけます)
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・アイテムはそれぞれ応募いただけます(ただし複数の当選はありません)
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・当選は2025年1月中に商品の発送をもってお知らせさせていただきます。当選・落選のお問い合わせは承ることができませんので、あらかじめご了承ください。
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